
イタリアが転換点─メローニ首相がイスラエルとの20年来の防衛合意を停止。トランプ大統領との亀裂も浮上
イタリアのジョルジャ・メローニ首相が2026年4月14日、イスラエルとの防衛協定の自動更新を停止すると発表しました。かつてイスラエルの最も親密な欧州の盟友と称されたイタリアの右派政権が下したこの決断は、欧州全体の対イスラエル政策の転換を象徴するものです。

イタリアのジョルジャ・メローニ首相は2026年4月14日、イスラエルとの防衛協力協定の自動更新を停止すると正式に発表しました。 メローニ首相は北イタリアのベローナで開催されたイベントの傍らで記者団に対し、「現在の複雑な状況を踏まえ、政府としてイスラエルとの防衛協定の自動更新を停止することを決定した」と述べました。 停止の対象となる協定は2003年に締結されたもので、5年ごとに自動更新されてきた防衛産業政策や軍事装備品の取引管理などに関する枠組みを定めた覚書です。

今回の決定の背景には、イスラエル軍がレバノンに展開するイタリア人国連平和維持部隊(UNIFIL)を銃撃したとされる事件があります。 イタリアのアントニオ・タヤーニ外相はすでにイスラエルのUNIFIL部隊への攻撃を公式に非難し、イスラエル大使を外務省に召致して説明を求めていました。 さらに、イスラエル軍によるガザのカトリック教会への攻撃で3名が死亡した事件や、ピエルバッティスタ・ピッツァバッラ枢機卿が聖墳墓教会への入場を拒否された出来事なども、両国間の摩擦を深める要因となっていました。

イスラエル当局は今回の協定停止について「実質的な内容を持たない覚書に過ぎない」と述べ、その影響を最小化する姿勢を示しています。 しかし、かつてイスラエルの「最も親密な欧州の友人」とも称されたイタリアの右派政権が下したこの決断は、象徴的な意味合いにおいて非常に大きなものです。 イスラエルにとって、かつてはヨーロッパにおける最有力な支持国であったイタリアが背を向けたことは、外交的な孤立の深まりを示すものとして国際社会は受け止めています。

今回の決定はトランプ大統領とメローニ首相の関係にも影を落としました。トランプ大統領は4月14日、イタリアの大手全国紙コリエレ・デラ・セラのインタビューで、「彼女には驚かされた。私が思っていたのと全然違う」と述べ、欧州における最有力な盟友とみなしていたメローニ首相を公然と批判しました。 トランプ大統領は、メローニ首相がNATOを通じた支援に非協力的であることや、イランの核開発阻止への協力を拒んでいることにも不満を示しました。 また、イタリアがトランプ政権によるイランへの軍事作戦に際して米軍による自国基地の使用を拒否したことも、両者の関係悪化に拍車をかけています。
米同盟国に「喝!」トランプ大統領、元盟友メローニ首相を公然と批判、NATOを「張り子の虎」と断言 – Anashira News

イタリアの今回の決断は単独の動きではなく、欧州諸国が対イスラエル政策を見直しつつある大きな流れの一部です。 イスラエルによるレバノンへの軍事行動が続く中、欧州各国でイスラエルとの防衛・経済関係の見直しが進んでおり、国際的な圧力が高まっています。 一方、米国とイランはこの時点で「原則合意」として停戦延長に向けた協議を進めており、ホルムズ海峡の安定を含めた中東情勢は依然として予断を許さない状況が続いています。 メローニ首相はイタリアの農業・エネルギー政策に不可欠な物資の輸送路であるホルムズ海峡の再開を重視しており、この観点からも外交的判断が行われたとみられます。
イタリアのメローニ首相が2003年以来続いてきたイスラエルとの防衛協定の自動更新を停止したことは、欧州の対中東外交における歴史的な転換点となります。 イスラエル側は「実質的な影響は限定的」と述べていますが、かつて最も親密な欧州の支持国であったイタリアの離脱が持つ象徴的インパクトは小さくありません。 さらに、この決断をめぐってトランプ大統領が公然とメローニ首相を批判したことで、米・伊間の「保守同盟」にもひびが入り始めています。 複雑化する中東情勢の中で、各国の外交判断は一層難しい局面を迎えています。






