
逆転した世界秩序—欧州がイラン側に立つという衝撃の現実
2026年4月12日、トランプ大統領はTRUTH Socialへの投稿でホルムズ海峡の封鎖措置を宣言しました。これはイランの革命防衛隊(IRGC)が海峡を実質的に支配し、通過船舶に違法な通行料を強制してきたことへの対抗措置です。しかし驚くべきことに、欧州は封鎖を行うアメリカに対抗する連合を組もうとしており、問題の根本であるイランの行為を不問に付しています。

ホルムズ海峡は、世界の石油輸送の約20%が通過する、エネルギー安全保障上きわめて重要な水路です。 2026年2月28日、米国とイスラエルがイランに対する軍事作戦を開始して以降、イランの革命防衛隊(IRGC)は海峡を事実上封鎖し、通過船舶に対して書類の提出、通関コード取得、そしてIRGCが護衛する単一の管理航路を通ることを義務付けました。 事実上の「通行料」を徴収するというこの措置は、国際海洋法(UNCLOS)の下で明確に違法であり、世界の海運秩序を根底から揺るがすものです。
この封鎖によって、世界のエネルギー市場には甚大な影響が及び始めました。 タンカーが海峡に滞留し、原油価格は急騰、ヨーロッパやアジアへのエネルギー供給は深刻な打撃を受けています。 米国もイスラエルもホルムズ海峡を通る石油に依存していないにもかかわらず、トランプ大統領は世界全体のためにこの問題に正面から取り組もうとしていました。

2026年4月12日、トランプ大統領はTRUTH Socialへの投稿で、「米海軍がホルムズ海峡に入出しようとするすべての船舶を阻止するよう指示した。イランに通行料を支払った船舶を探し出して取り押さえよ」と宣言しました。 トランプ大統領はこの措置をイランによる「世界規模の恐喝(world extortion)」への対応と位置づけ、「イランが石油を好きな相手に売って利益を得ることは断じて許さない」と断言しています。

翌4月13日、トランプ大統領はさらに「我が軍の封鎖ラインに近づいてくるいかなる艦船も即時に排除する」とTRUTH Socialに投稿し、強力な警告を発しました。 同日、米中央軍(CENTCOM)は封鎖の具体的な範囲を明確化しています。すなわち、封鎖の対象はイランの港湾や沿岸部への入出航船舶であり、イラン以外の港を発着する船舶のホルムズ海峡通過の自由は妨げないとしています。 これは事実上、イランの海上貿易に対する海軍封鎖(naval embargo)であり、国際海運全体の封鎖ではないことを明らかにしたものです。

ホルムズ封鎖の宣言に先立ち、副大統領JDバンス率いる米国代表団はパキスタンのイスラマバードでイランとの和平協議に臨んでいました。 21時間以上に及ぶ交渉にもかかわらず、協議は合意に至ることなく決裂しました。バンス副大統領は「イランは核野心を放棄することを拒否した」と述べており、これが交渉崩壊の最大の原因であることを明らかにしています。
イランのアラグチ外相は「イスラマバード覚書の締結まであとわずかだった」と合意に近づいていたとの認識を示す一方で、「アメリカの極端な要求、目標の変更、そして封鎖措置に遭遇した」とアメリカを非難しました。 イランのガリバフ国会議長も「イラン側は前向きな提案を行った。アメリカがイランの信頼を勝ち得ることができなかった」と主張しています。 しかしトランプ政権の立場は明確であり、核兵器開発の野心を持つイランとの妥協は、世界の安全保障を根本から損なうものとして受け入れられないというものです。
交渉決裂後も、トランプ大統領は「イラン側から連絡があり、彼らは合意をまとめたがっている」と述べており、外交的解決への窓口を完全に閉じているわけではありません。 ウォール・ストリート・ジャーナルは、トランプ大統領が交渉の行き詰まりを打開する手段として、限定的な攻撃の再開を検討していると報じており、圧力外交と軍事的選択肢の両立を模索している状況です。

トランプ大統領は欧州や同盟国に対し、米国のホルムズ海峡における「航行の自由」パトロールへの支援を要請しました。しかしこの要請は欧州諸国に拒絶されました。 欧州側の主張は「米国が単独で行動したのだから、欧州に支援を求めることはできない」というものです。
これに対してトランプ大統領は明確に反論しています。米国は過去70年間、数兆ドルを費やしてヨーロッパを守り、世界中の海上航路を開放し続けてきた。相互主義として支援を求めることは当然であるという立場です。 NATOのルッテ事務総長も4月初旬にワシントンを訪問し、欧州各国が艦船その他の軍事能力をホルムズ海峡に展開することへの具体的なコミットメントをトランプ大統領が求めていると欧州側に伝えましたが、 ドイツのメルツ首相は「NATOは防衛同盟であって介入同盟ではない」として参加を事実上拒否しています。

さらに衝撃的なのは、怒りに駆られた欧州が今や「イランからではなくアメリカから」ホルムズ海峡を守るための連合形成に向けて動き始めていることです。 2026年4月1日には40か国以上が海峡の安全な通行を確保するための連合立ち上げを宣言しましたが、 その実態はアメリカの封鎖措置を無力化することを主眼に置くものだという批判が上がっています。EU外交・安全保障上級代表のカヤ・カラス氏は「外交・経済ツールの総動員」を通じた海峡の「安全で持続的な開通」を目指すと述べましたが、 問題の根本であるIRGCによる支配には正面から向き合おうとしていません。

欧州が「航行の自由」を守るために声を上げていますが、その前提として見落とされている決定的な事実があります。IRGCによる通行料の徴収は、国際法上明確に違法であるということです。 UNCLOS(国連海洋法条約)は、国際海峡における無害通航権を世界のすべての国に保障しており、一国が海峡の通過に対して通行料を課すことは条約違反にほかなりません。
欧州の船舶はEU法によるイラン産原油の輸入禁止措置(2025年8月の制裁スナップバックによって再発動)の下、イランから原油を購入することが法律上禁止されています。 フランス、ドイツ、英国は2025年8月、この制裁スナップバックを自ら発動し、核・ミサイル技術、武器、渡航禁止、資産凍結、ならびにイラン産原油・石油製品の輸入・購入・輸送禁止を規定する6本の国連安保理決議を復活させています。 つまり、欧州が守ろうとしている「航行の自由」は欧州の買い手のためではなく、IRGCへの違法な通行料支払いを続けながらイラン産原油を購入しているアジア諸国など第三国のためのものにすぎないのです。
カナダ、オーストラリア、ニュージーランドも同様にイラン産石油の購入を禁止しており、特にニュージーランドは2026年2月にイランとのあらゆる取引に強制登録制度を設けました。

IRGCがホルムズ海峡を閉鎖することで最も大きな打撃を受けるのは、ヨーロッパとアジアのエネルギー供給です。米国もイスラエルも、同海峡を通る石油への依存度は低く、封鎖によって直接的な経済的打撃を受けるわけではありません。 にもかかわらず、欧州は封鎖を解除するために行動しているアメリカを批判し、封鎖を行っているイランを事実上容認しています。これはGP紙のアントニオ・グラセッフォ氏が指摘するように、「自分の鼻を切り落として顔を傷つける(cutting off your nose to spite your face)」愚かな行動にほかなりません。

欧州がアメリカのホルムズ封鎖に反対するために連合を組もうとしている一方で、IRGCは欧州の艦船が封鎖を破ろうとした場合、それを許可するかどうかも不明確です。 つまり現実には、欧州はアメリカに対抗しようとしながら、イランからも脅威にさらされるという逆説的な状況に置かれています。
EU外交上級代表のカラス氏は3月16日のEU外相会議後、「ホルムズ海峡へ海上安全保障ミッションを拡大することへの意欲はない」と述べており、 欧州が軍事的にはアメリカを助けるつもりがないことを明示しました。それでも欧州が対米連合を形成しようとしているのは、トランプ大統領への「怒り」が合理的な安全保障判断を上回っていることを示しています。

欧州の矛盾が際立つのは、外交の場でも同様です。国連はこの停戦期間中にイランを「プログラム調整委員会」に任命しました。これは人権・軍縮・テロリズム防止に関する政策立案を助ける機関です。 国連ウォッチが報告したところによれば、この決定に反対意見を表明した国連加盟国は米国ただ一か国だけでした。
主要メディアもまた、IRGCがこの停戦期間中に抗議者たちを処刑していることをはじめ、女性・性的少数者・宗教的少数派に対する組織的な弾圧を報じることをほぼやめています。 過去47年間にわたり、イランのIRGCとそのプロキシ勢力が支援したテロ攻撃の被害者の声は、今やほとんど聞こえてきません。 IRGCが現在も世界の海運を脅かすミサイル・ドローンプログラムを維持しているという事実も、メディアの焦点から外れています。 トランプ大統領が取り組もうとしているのは、これらの問題をIRGCから権力を除去することによって「永続的に解決する」ことであり、欧州はその正義の試みをも妨害しようとしています。

今回のホルムズ海峡封鎖をめぐる状況は、国際秩序の深刻な逆転を浮き彫りにしています。トランプ大統領は、IRGCによる国際法違反の通行料徴収を終わらせ、世界のエネルギー安全保障を守るために毅然として行動しました。 その措置は米国自身の石油利権のためではなく、70年間にわたって世界の海上航路を守り続けてきた国としての責任感から取られたものです。
ところが欧州は、自国のエネルギー供給を人質に取っているIRGCを非難するのではなく、問題を解決しようとしているアメリカに刃を向けました。 欧州はイラン産原油の輸入を自国法で禁じながら、その禁じた石油をアジア諸国が買うためにIRGCへの違法な通行料支払いを容認するという驚くべき矛盾を抱えています。

ヴァンス副大統領が率いた21時間を超えるイスラマバード交渉が核問題で決裂した今、トランプ大統領の選択肢は限られています。 しかしトランプ大統領は「イランは合意をまとめたがっている」とも述べており、 圧力と外交の両輪を使いながら、真の平和と安全な海上通航の実現を目指し続けています。欧州が感情的な「反トランプ」の姿勢を捨て、現実的な安全保障パートナーとして行動することが、今この瞬間にも世界から求められています。






