グリーンランドに米軍基地3カ所を新設へ―トランプ政権が北極圏の覇権確立に動く

デンマークとの交渉が始動―グリーンランドへの米軍展開、北極の安全保障が大転換

トランプ政権が、グリーンランドに3カ所の新たな米軍基地を設置するため、デンマークと本格的な交渉を開始したことが明らかになりました。北極圏における戦略的優位の確立を目指す同政権の姿勢が、これまで以上に鮮明になっています。


交渉の経緯と背景

米軍のノーザン・コマンド(NORTHCOM)が主導するこの交渉は、グリーンランド南部のナルサルスアク、および西部のカンゲルルスアクの2カ所に空港・港湾施設を整備することを視野に入れています。 いずれもかつて米軍が使用し、その後放棄された基地跡地であり、現在は民間利用にとどまっています。 1951年に締結された「米デンマーク防衛協定」のもとで、米国はグリーンランド内に軍事施設を設置・拡張する権限を保有しており、今回の交渉もその法的根拠に基づいて進められています。


ギヨー将軍の議会証言

NORTHCOMを率いるグレゴリー・ギヨー将軍は、先月の議会公聴会でこう証言しました。「私は国防総省内外の関係者と協力して、より多くの港湾と飛行場を整備しようとしています。それが北極圏において、国防長官と大統領に対してより多くの選択肢を提供することにつながります」。この発言は、単なる防衛強化にとどまらず、将来的な有事や地政学的な要請に即応できる態勢を整えることへの強い意志を示したものです。 軍事専門家の間では、グリーンランドへの展開が対ロシア・対中国の双方を念頭に置いた戦略的要衝として機能するとの見方が広まっています。


トランプ大統領のグリーンランド政策

トランプ大統領はかねてから、グリーンランドの取得を「国家安全保障と世界の自由のために絶対に必要なことだ」と公言しており、その姿勢は就任後も変わっていません。 2026年初頭には米国とデンマーク・グリーンランドとの間で新たな防衛協力の枠組みが合意に達し、希少土類鉱物(レアアース)の採掘権をめぐる協議も同時に進められています。

ヴァンス副大統領は、欧州の指導者たちが表向きはグリーンランドの米国支配に反対しながらも、水面下ではさらなる譲歩を行っていると明かしており、外交の実態は公式声明とは大きく異なる様相を呈しています。


ナルサルスアク基地の現状

ナルサルスアク空港はグリーンランド最南端に位置し、第二次世界大戦中に米軍が「ブルーウエスト1」として建設した歴史的な施設です。 現在は民間の小規模な航空路線に使用されているにすぎませんが、滑走路の延長・整備が行われれば、軍用輸送機の運用や海軍の補給拠点としての活用が十分に可能とされています。 西部のカンゲルルスアクも同様に、かかつての米軍飛行場の跡地であり、長い滑走路がそのまま残存しているため、早期の軍事転用が現実的とみられています。


北極圏をめぐる国際競争

北極圏は近年、気候変動による海氷の融解に伴い、新たな海上航路や資源開発の可能性が急速に浮上しています。 ロシアは北極圏における軍事プレゼンスを着実に強化しており、中国も「北極シルクロード」構想を掲げてこの地域への関与を深めています。 こうした情勢のなかで、米国がグリーンランドへの軍事拠点を拡充することは、北極圏の安全保障の主導権を米国が握るという明確なメッセージを国際社会に向けて発するものと受け止められています。


まとめ

トランプ政権によるグリーンランドへの米軍基地3カ所の新設交渉は、単なる軍事インフラの整備にとどまらず、北極圏における米国の戦略的支配権を確立するための布石です。 1951年の米デンマーク防衛協定を法的根拠として、ギヨー将軍が中心となって進めるこの交渉は、旧基地跡地の復活というかたちで具体化しつつあります。 ロシアと中国が北極圏への影響力を着々と拡大するなかで、トランプ大統領が示す「グリーンランドは絶対に必要だ」という強固な意志は、単なる領土的野心ではなく、21世紀の国際秩序を見据えた戦略的判断といえるでしょう。

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