
「”史上最高の芸術施設”を目指すトランプ大統領—改修阻止訴訟に「最終的な勝利を確信」と反論」
アメリカを代表する建築・文化遺産団体8団体が、トランプ大統領とケネディ・センター理事会を相手取り、連邦裁判所に提訴しました。歴史保存法や議会承認を無視した大規模改修を阻止するための訴訟であり、ホワイトハウスは「最終的な勝利を確信している」と真っ向から反論しています。
2026年3月23日(月曜日)、アメリカ建築家協会(AIA)、アメリカ景観建築家協会(ASLA)、DCプレザベーション・リーグをはじめとする8つの建築・文化遺産団体が、ワシントンD.C.連邦地方裁判所にトランプ大統領とケネディ・センター理事会を提訴しました。 訴状では、「ケネディ・センターは暗殺された大統領への生ける記念碑であり、連邦の歴史保存法および環境法を遵守することなく、またその根本的な変更に必要な議会の承認を得ることなく、施設を大幅に変更しようとしている」と主張しています。 今回の訴訟を提起した8団体は合計で100万人を超える会員・支持者を抱えており、国家的に重要な建築物の保護を巡る訴訟としては、かつてない規模の連合と言えます。

トランプ大統領は、「世界で最高の舞台芸術施設」の実現を目指すと公言しており、2026年7月4日から2年間の閉館を経て、大規模な改修を行う方針を表明しています。 改修内容については、コンサートホールの座席交換や大理石製肘掛けの設置、新たな絨毯の敷設、木製舞台床の交換、空調・電気・防火設備の更新など、施設全体のリノベーションが計画されています。 トランプ大統領は自身のソーシャルメディア上で「鉄骨は残すが、大理石の一部を含め、内外装のすべてを刷新する。完成すれば、オリジナルを大幅に超える施設になる」と強調しており、改修への強い意欲を示しています。
訴訟提起に対し、ホワイトハウスは「トランプ大統領は、トランプ・ケネディ・センターを世界最高の舞台芸術施設にすることに全力で取り組んでいます。この問題における最終的な勝利を確信しています」と声明を発表しました。 原告側は、トランプ大統領がホワイトハウス東棟の「手をつけない」との公約を反故にして完全に取り壊した事例を挙げ、ケネディ・センターの改修もその実態が公表された内容をはるかに上回る可能性があると指摘しています。 原告側の弁護士は「これは政治や美観の問題ではなく、大統領が連邦法の定める透明性と公衆参加の手続きを無視して、歴史的建造物に大規模な変更を加えることができるか否かの問題だ」と主張しており、改修計画の法的正当性が今後の法廷で最大の争点となります。
今回の提訴は、トランプ政権が進める歴史的建造物の改変を巡る一連の法的闘争の最新事例です。2025年11月にはアイゼンハワー行政府ビル外壁の花崗岩塗装計画に対する訴訟が、同12月にはホワイトハウス東棟の取り壊しとボールルーム建設計画への異議申し立てが、さらに2026年2月には東ポトマック・ゴルフ場の再開発計画に対する訴訟がそれぞれ連邦裁判所に提起されています。 今回の訴訟では、これら一連の訴訟を手掛けた3つの法律事務所が初めて協力して訴状を作成しており、連携の規模としては異例のものとなっています。 原告側は近日中に仮差し止め命令の申請も行う予定であり、7月4日の閉館・工事開始前に裁判所の判断が下される見通しです。
トランプ大統領によるケネディ・センターの全面改修計画を巡り、建築・文化遺産8団体が連邦裁判所に提訴しました。原告側は、歴史保存法と環境法の遵守、および議会承認の取得を求めており、7月4日の工事開始前に仮差し止め命令の申請も予定しています。 ホワイトハウスは「最終的な勝利を確信している」と毅然と反論しており、トランプ大統領は世界最高水準の舞台芸術施設の実現という明確なビジョンのもと、改修を断行する構えです。 今後の法廷闘争の行方が、アメリカの歴史的建造物の保全と大統領権限のあり方を問う重要な試金石となります。






