「戦っているが想定以上ではない」米統合参謀本部議長が認めたイランの実力と、米兵たちが払った代償」

オペレーション・エピック・フューリー開始から10日が経過し、ペンタゴンはアメリカ軍将兵の負傷者が計140名(うち8名が重傷)に達したと初めて公式に発表しました。一方、米統合参謀本部議長ダン・ケイン将軍は「イランは戦っているが、我々の想定を超えるほど手強くはない」と述べ、作戦が想定の範囲内で進んでいることを強調しています。


10日間の損耗──戦死7名・負傷140名の実態

2026年3月10日(火)、ペンタゴン報道官ショーン・パーネル氏はメール声明を通じ、次のように発表しました。「オペレーション・エピック・フューリー開始以降の10日間の持続的な攻撃により、約140名の米軍将兵が負傷しました。その大半は軽傷であり、108名はすでに任務に復帰しています。8名は現在も重篤な状態にあり、最高水準の医療を受けています」

​これはイランとの戦闘に関する米軍の負傷者数として、政府が初めて公式に示した包括的な数字です。 戦死者は3月10日時点で7名が確認されており、重傷から回復できずに亡くなった兵士もその中に含まれています。 直接的な死傷者のほかに、最初の2日間だけでアメリカは弾薬消費として50億ドル(約7,500億円)を費やしており、ペンタゴンがこの推計を議会に非公式に伝えたことも報じられています。


戦死した英雄たち─7人目の身元と攻撃の詳細

確認された戦死者の中で、最後(7人目)として氏名が公表されたのは、陸軍スタッフ・サージェント(二等軍曹)ベンジャミン・N・ペニントン氏(26歳・ケンタッキー州グレンデール出身)です。 ペニントン曹長は2026年3月1日、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地へのイランのミサイル・ドローン攻撃で重傷を負い、3月9日(日)に死亡しました。

最初の戦死者3名はクウェートに駐留する後方支援部隊員でした。 戦争開始直後の2月28日から3月1日にかけて、イランはサウジアラビアとクウェートのアメリカ軍施設に向けて弾道ミサイルとドローンの大規模な報復攻撃を実施しました。 クウェートのアリ・アル・サーレム空軍基地ではすべての弾道ミサイルが迎撃されましたが、ドローンがクウェート国際空港を直撃し、ターミナルが損傷。アメリカ軍支援部隊員に死傷者が出ました。


イランの報復作戦─クウェート・サウジへのドローン・ミサイル攻撃

イランは開戦以来、中東全域に展開するアメリカの軍事拠点と湾岸アラブ諸国のインフラに対して、執拗なドローン・ミサイル攻撃を続けています。防衛民主主義財団(FDD)の集計によると、3月8日時点で湾岸各国に向けて発射されたドローン・ミサイルの数は以下の規模に達しています。

  • UAE(アラブ首長国連邦):ドローン1,422機・ミサイル246発(うちドローン1,342機・ミサイル229発を迎撃)
  • クウェート:ドローン406機・ミサイル219発
  • カタール:ドローン63機・ミサイル129発・航空機2機
  • バーレーン:ドローン164機・ミサイル95発を迎撃

3月3日にはリヤドのアメリカ大使館にイランのドローン2機が命中し、火災と部分的な構造破壊が発生しました。 3月4日にはサウジアラビアのラス・タヌーラにあるアラムコ精製施設もドローン攻撃を受けましたが、施設への被害は免れました。 10日(火)にはイランがサウジアラビアとクウェートに向けて新たなドローン攻撃を実施。イランが「戦っている」という意志をあらためて示しました。​


ケイン将軍「イランは想定の範囲内」

3月10日(火)のペンタゴン記者会見で、米統合参謀本部議長ダン・ケイン将軍は重要な見解を述べました。「イランが戦っていることは認める。しかし彼らは我々が想定していたより手強くはない(They’re not more formidable than what we thought)」

​この発言は、アメリカ軍の現時点での公式評価を端的に示すものです。ケイン将軍はさらに、アメリカ軍が現在集中している三つの軍事目標を改めて示しました。

  1. イランの弾道ミサイル・ドローン能力の壊滅
  2. イラン海軍の撃滅およびホルムズ海峡の通航確保
  3. イランが今後数年にわたってアメリカ・同盟国・米国益を攻撃できないよう、軍事・産業基盤へのより深い打撃

ケイン将軍は「我々の作戦は三つの明確な軍事目標に集中している」と強調しており、作戦が感情的・場当たり的ではなく、精密な目標管理のもとで遂行されていることを示しました。


ヘグセス長官「今日が最も激しい一日」

同じ記者会見でヘグセス国防長官は「今日(10日)は、これまでで最も激しいイラン内への打撃を行う日になる」と宣言しました。 ヘグセス長官はまた「これは際限のない戦争ではない。トランプ大統領がいつこのキャンペーンを終わらせるかを決める」とも述べ、作戦に明確な終結の意志があることを強調しました。

一方、イラン側もこれに屈する姿勢は見せていません。イランのガリバフ国会議長は「我々は停戦を求めない」と表明し、イラン側の継続抵抗の意志を示しています。しかし、ヘグセス長官はイラン軍の能力が「著しく低下した」とし、ケイン将軍の評価と一致する見方を示しました。


トランプ大統領の姿勢 ─ 早期終結への意志と強硬路線の両立

トランプ大統領は3月10日、戦争の終結について「すぐに終わる可能性がある(could be over soon)」と述べ、早期終結への期待感を示しました。 しかし同時に、イランがホルムズ海峡の石油輸送を妨害した場合には「20倍の強さで攻撃する」という警告も繰り返しており、強硬姿勢を崩していません。

戦争継続に関する議会でのコントロールをめぐっては、米上院が戦争権限決議(War Powers Resolution)の採決を行いましたが、トランプ大統領の権限を制限しようとする民主党の提案は否決されました。 上院共和党の多数がトランプ大統領の作戦遂行権限を支持した形となり、国内政治的な基盤は現時点では安定しています。


まとめ

10日間の戦闘でアメリカが払った代償は戦死7名・負傷140名という現実の数字として刻まれました。 しかし、米軍の公式評価は「作戦は想定通りに進んでいる」というものであり、ケイン将軍の「イランは想定内」という発言はその自信の表れです。

イランは執拗なドローン・ミサイル攻撃を継続しており、湾岸各国に向けて累計で数千機・数百発の兵器を発射しましたが、その多くは迎撃されています。 施設への損害も発生していますが、アメリカ軍の作戦遂行能力に決定的な打撃を与えるには至っていません。

トランプ大統領は早期終結への希望を口にしつつも、核物質確保・カーグ島制圧・ホルムズ海峡の完全開通という三つの課題が解決されるまで、作戦の手を緩める気配はありません。 7名の英雄たちが命をもって示したこの戦いの重さを胸に刻みながら、アメリカは「強さによる平和」の完成に向けて強く歩み続けています。

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