ロシアが警告、トランプ大統領のキューバ「奪取」計画―西半球で高まる地政学的緊張

トランプ大統領、「キューバを取る名誉を得る」― ロシアとキューバが真っ向反発

トランプ米大統領がキューバを「取る名誉を得る」と発言し、国際社会に衝撃が走りました。エネルギー危機で弱体化するキューバをめぐり、ロシアは強く反発。西半球の地政学的均衡が大きく揺れる中、米露の攻防が新たな局面を迎えています。


トランプ大統領の「キューバ奪取」発言とは

トランプ大統領は2026年3月16日、ホワイトハウスの大統領執務室において記者団に対し、「キューバを取ること、あるいは解放することになると思う。正直に言うと、私はあそこで何でもできると思う。あの国は今、非常に弱体化している」と発言しました。この発言は、同大統領が以前から主張してきた「友好的なキューバ接収」という構想の延長線上にあるものです。

トランプ大統領はすでにキューバ政府との交渉が進行中であることを認めており、「彼らは我々と話し合っている。失敗した国家で、石油も何も持っていない。しかし、美しい土地を持っている」と述べています。キューバ側も3月の国営テレビ演説でディアスカネル国家評議会議長が米国との交渉の事実を認めました。


キューバの深刻なエネルギー危機

キューバは現在、米国が課した石油禁輸措置の影響により、前例のないエネルギー危機に直面しています。ベネズエラのマドゥロ前大統領の拘束という米国主導の作戦を機に、キューバへの主要な石油供給ルートが断たれ、3か月にわたり燃料輸送が途絶えたとディアスカネル議長は明らかにしました。

この結果、3月16日にはキューバ全土で大規模な停電が発生し、首都ハバナを含む全域が深刻な電力不足に陥りました。中部キューバのモロン市では反体制的な抗議者たちが共産党地区本部に乱入し、建物の一部を破壊・放火するという事態も起きており、ディアスカネル政権の権力掌握が急速に揺らいでいる様子が伝えられています。


ロシアの強硬な反発と「連帯」声明

ロシア外務省は火曜日、声明を発表し、「ロシアはキューバの政府と兄弟的な人民に対する揺るぎない連帯を再確認する。主権国家の内政への粗暴な干渉、脅迫、違法な一方的制限措置の試みを強く非難する」と述べました。同省はさらに、キューバが直面しているエネルギー・経済的崩壊は米国の長年の貿易・金融・エネルギー制裁の直接的な結果であると主張しました。

ロシアは2月にも、プーチン大統領がキューバのロドリゲス外相とモスクワで会談し、「ロシアは常にキューバの側に立つ」と明言していました 。ただし、ロシアが実際にキューバへ大規模な石油支援を届けられているかどうかは不明であり、公言した支援の実効性には疑問が残ります。


キューバをめぐる地政学的重要性

キューバが単なる貧困国家ではなく、高度な地政学的価値を持つ拠点であることは見逃せません。同島はロシアおよび中国の重要な情報収集施設を複数保有しており、フロリダ州タンパの米中央軍司令部やマイアミの米南方軍司令部に対する軍事監視活動に利用されていると指摘されています。

キューバの共産主義政権が崩壊すれば、西半球におけるロシアと中国の影響力に壊滅的な打撃を与えることになります。かつてソ連の補助金に支えられて生き延びてきたキューバが米国の傘下に入ることは、「グローバルサウス」諸国への強烈なメッセージとなり、ロシアや中国が自国の友邦を守りきれないという現実を世界に示す象徴となるでしょう。


まとめ

トランプ大統領の「キューバを取る」発言は、単なる強がりではなく、石油禁輸・ベネズエラ工作・外交交渉といった複合的な戦略の一環です 。エネルギー危機と国内抗議運動によって弱体化したキューバは、現在かつてないほど交渉圧力にさらされており、ディアスカネル政権は米国との対話を余儀なくされています。一方、ロシアは強い言葉でキューバへの連帯を叫んでいるものの、実質的な支援は届いておらず、その影響力は著しく低下しています。キューバ情勢の行方は米露間の地政学的角逐の縮図であり、トランプ政権が掲げる「アメリカ・ファースト」外交の試金石として、今後も世界の注目を集め続けるでしょう。

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