
2026年3月12日、ミシガン州ウェスト・ブルームフィールドにあるユダヤ教会堂「テンプル・イスラエル」に、ライフル銃を携えた41歳の男が車で突入しました。建物内には幼稚園・保育園の子供たち140人が在籍しており、驚くべきことに犯人はISIS支援の前科を持つレバノン生まれの帰化米国市民でした。

2026年3月12日の現地時間午後12時30分ごろ、アイマン・モハマド・ガザリ(Ayman Mohamad Ghazali、41歳)は、デトロイト近郊のウェスト・ブルームフィールドにある「テンプル・イスラエル」シナゴーグに向けてトラックを突進させました。 建物の入口を突き破った車両は廊下を走り抜け、内部に煙が充満する中、ガザリはライフル銃を持って車外に出て武装警備員と銃撃戦になりました。 応戦した警備員の反撃によりガザリは現場で射殺され、他の死者は出ませんでした。
この建物には幼児保育センター(デイケア)と学校が併設されており、事件発生時には約140人の生徒・園児が在籍していました。 警備員1人が車に撥ねられ意識を失い搬送されましたが、命に別状はなく、子供たち全員と教職員が無事に避難しました。 FBIのデトロイト支局長ジェニファー・ランヤン特別捜査官は、今回の事件を「ユダヤ人コミュニティを標的にした意図的な暴力行為」として捜査すると発表しました。

ガザリは1985年1月4日にレバノンで生まれ、2011年5月10日にデトロイト国際空港から米国市民の配偶者として「IR1移民ビザ」で入国しました。 これはオバマ政権時代に承認されたビザであり、2009年12月に申請、2010年4月に許可が下りたとされています。 その後、2015年10月に帰化申請を行い、2016年2月5日にオバマ政権下で米国市民権を取得しました。

さらに衝撃的なのは、ガザリがISIS(イスラム国)への支援を企てた罪で2016年に有罪判決を受け、11年の連邦刑務所刑を言い渡されていた事実です。 ところが、2024年末にバイデン政権下で刑務所から釈放されており、釈放から1年余りで今回のテロを引き起こしたことになります。 捜査関係者らは、ガザリが事件前にガソリン缶と大量の業務用花火を購入していたことを確認しており、これは火災を引き起こす計画だったと見られています。

保守系メディアやトランプ政権支持者からは、今回の事件はバイデン前政権の甘い移民審査と早期釈放方針がもたらした「悲劇的な結果」であるとの声が上がっています。 ISIS支援という重大なテロ関連犯罪で有罪になった人物が11年の刑を全うすることなく釈放され、しかも入国審査の段階でその危険性が見抜けなかったことは、米国の移民・司法制度の深刻な欠陥を露呈しています。 トランプ大統領はこの事件を受け、ミシガン州のユダヤ人コミュニティへの哀悼と連帯を表明し、真相究明を誓いました。

国土安全保障省(DHS)はガザリの身元を正式に公表し、レバノン出身の帰化市民であると確認しました。 連邦捜査局(FBI)はガザリの自宅(デアボーン・ハイツ)に家宅捜索を実施し、犯行の動機や共犯者の有無について捜査を続けています。 捜査当局によれば、ガザリはイスラエルの空爆でレバノンに残っていた兄弟2人(ヒズボラのロケット部隊員)と甥・姪を失い、復讐を誓ったとされています。

ガザリの兄弟2人はレバノン南部に留まり、共にヒズボラのロケット部隊員として活動していたことが、レバノン現地の情報筋の証言で明らかになりました。 2人はIDF(イスラエル国防軍)によるドローン攻撃(2026年3月5日)で死亡したとされており、この「家族の復讐」が今回の凶行への動機の一端になったと当局は見ています。 ただし、捜査当局は「この感情的動機がすべてではない可能性がある」として、ISIS的なイデオロギーとの関連性についても調査を続けています。

テンプル・イスラエルは米国最大級のリフォーム・ユダヤ教シナゴーグの一つであり、2018年のピッツバーグ・ツリー・オブ・ライフ・シナゴーグ銃撃事件以来、独自の武装警備体制を強化してきました。 今年1月には実際に「アクティブ・シューター防止訓練」を実施しており、その準備が今回の惨事を最小限に抑えたと評価されています。 司祭アリアンナ・ゴードン師は「警備員こそが今日の真のヒーローだ」と感謝を表明し、「子供たちは先生たちに歌を歌ってもらいながら落ち着いていた」と振り返りました。

同じ2026年3月12日、バージニア州のオールド・ドミニオン大学でも別のISIS支援前科者による銃撃事件が発生し、1人が死亡しました。 犯人のジャロー(Mohamed Jalloh)もまた、2017年にISIS支援を企てた罪で有罪となり11年の刑を言い渡されたが、2024年12月にバイデン政権下で釈放されていました。 同日に2つのISIS関連前科者による攻撃が別々の州で起きたことは、バイデン政権期の早期釈放政策への深刻な疑問を投げかけています。
今回のミシガン州シナゴーグ・テロ事件は、複数の重大な問題を米国社会に突きつけました。第一に、ISIS支援という重大なテロ関連犯罪で有罪となった人物が、刑期満了前にバイデン政権下で釈放され、わずか1年余りで新たな大規模テロを引き起こしたという「司法・矯正制度の失敗」があります。 第二に、入国審査・帰化審査の段階でこのような人物の危険性を見抜けなかった「移民政策の欠陥」が改めて浮き彫りになりました。 第三に、日本人の視点からも見逃せないのは、「武装警備員の存在」が140人以上の子供たちの命を救ったという事実です。

トランプ政権は現在、イランやヒズボラと連携したイスラム過激派によるスリーパーセル(潜伏工作員)の活動化について警戒を強めており、今回の事件もその文脈で重大視されています。 ユダヤ人コミュニティを標的にした反ユダヤ主義的暴力は国際的にも増加傾向にあり、カナダでのシナゴーグ銃撃、オーストラリア・ボンダイビーチでの大量殺傷事件など、欧米全体でユダヤ人への攻撃が多発しています。 今こそ、テロリストの早期釈放を許す政策を見直し、安全保障を最優先とするトランプ政権の断固たる対応が求められています。






