【テロの脅威が迫る】米欧で連続テロ急増—イスラム国・イラン工作員が標的にしているのはあなたの隣国かもしれない

2026年3月、アメリカとヨーロッパで立て続けにテロ事件が発生しています。イスラム国(ISIS)に感化された「ホームグロウン・テロリスト」と、イランの代理勢力による攻撃が急増しており、西側諸国の市民の安全が脅かされています。トランプ政権が対イラン強硬策を進める中、テロとの戦いは新たな局面を迎えています。


相次ぐテロ事件—2026年3月、何が起きたのか

2026年3月1日、アメリカのテキサス州オースティンのバーで銃撃事件が発生しました。 犯人は53歳のセネガル系アメリカ市民、ンジアガ・ディアニュ容疑者で、民間人に向けて発砲し、2人を死亡させ、14人に重軽傷を負わせた後、警察官に射殺されました。 容疑者は「アッラーの所有物(Property of Allah)」と書かれたスウェットシャツと、イランの国旗があしらわれたシャツを着用しており、自宅からはイラン指導者の写真が複数発見されています。

続く3月7日には、ペンシルベニア州バックス郡からニューヨーク市に移動した2人の男が、市長公邸グレーシー・マンション前の抗議集会付近で即席爆発物(IED)の爆発を試みました。 ニューヨーク市警(NYPD)のジェシカ・ティッシュ本部長は、容疑者をエミル・バラット(18歳)とイブラヒム・カユミ(19歳)と特定し、ISISに触発されたテロ行為と断定しました。 バラットが使用した爆発物にはTATP(トリアセトンペルオキシド)が含まれており、これは過去10年間で複数のテロ攻撃に使用された高揮発性爆薬です。 逮捕後、バラットはイスラム国への忠誠を誓う声明を書き残し、「2013年のボストンマラソン爆破事件を超える攻撃をしたかった」と述べたと伝えられています。


ヨーロッパにも飛び火—在外公館・ユダヤ教施設が標的に

3月8日、ノルウェーの首都オスロにあるアメリカ大使館の外でIEDが爆発し、領事部の入口が損傷しました。 ノルウェー警察は、イラク系ノルウェー人の3兄弟(いずれも20代)をテロ爆弾事件の容疑で逮捕しています。 爆発直後、大使館のGoogleマップのページがハッキングされ、故ハメネイ師の動画とともに「神は偉大なり。我々は勝利した」というファルシ語のテキストが掲示されました。 捜査当局は「政府機関からの指令であった可能性」を念頭に捜査を進めています。

3月9日には、ベルギーのリエージュで築120年のユダヤ教会堂(シナゴーグ)が爆破される事件が発生しました。 「右派の同志のイスラム運動」と名乗る正体不明の組織が翌11日に犯行声明を出し、覆面をした男たちが爆発物を設置する動画を公開しています。 この組織の名称、ロゴ、および情報拡散経路は、イランの「抵抗の枢軸」を支持するテレグラムのチャンネルを通じて流布されており、イラク武装組織やヒズボラとの関連が指摘されています。

さらに3月10日には、カナダのトロントにあるアメリカ領事館の外壁に向けて2人組が拳銃を発砲して逃走しました。 トロント警察はこれを国家安全保障上の事件と位置付け、市内で続発しているシナゴーグ射撃事件との関連を調査しています。


アメリカ国内のテロが再燃—元囚人による大学襲撃と、トラックで突入したモスク犯罪

2026年3月12日、バージニア州ノーフォークにあるオールド・ドミニオン大学(ODU)のROTC(予備役将校訓練課程)の教室に、元バージニア州兵のモハメド・バイロル・ジャロウ容疑者が乱入し、「アッラーは偉大なり(アッラーフ・アクバル)!」と叫びながら発砲しました。 この事件でブランドン・シャー中佐が死亡し、2人が負傷しています。

ジャロウは2016年にISISへの物質的支援の提供を試みた罪で有罪を認め、11年の禁固刑を宣告されていました。 しかし2024年12月、薬物依存症治療プログラムを完了した受刑者への早期釈放規定を適用され、刑務所から釈放されていたのです。 連邦矯正局(BOP)の旧執行部は、テロ関連の犯罪を早期釈放制度の適用除外にすることを提案していましたが、その政策変更は職員組合の反対により停滞していました。

同じ3月12日、レバノン出身の帰化アメリカ市民アイマン・モハマド・ガザリ容疑者(41歳)が、ミシガン州ウェスト・ブルームフィールドにあるテンプル・イスラエル・シナゴーグに自らトラックを乗り入れ、廊下を突進しました。 2人の警備員が発砲して応戦し、ガザリ容疑者は車内で拳銃自殺しています。 付属する幼稚園にいた140人の子どもたち全員は無事に避難しましたが、少なくとも30人の警察官が煙を吸い込み入院しています。 調査によると、ガザリは2011年にアメリカ市民の配偶者としてアメリカに入国しており、ヒズボラの工作員との接触を理由に政府の監視リストに登録されていましたが、正式なメンバーとは認定されていませんでした。


「デジタル・カリフ制国家」—SNSを通じた過激化が若者に忍び込む

戦略対話研究所(ISD)の2026年3月の報告によると、ISISはアメリカ国内での物理的な作戦能力は依然として限定的であるものの、「デジタル・エコシステム」を駆使して自己過激化とローンウルフ型攻撃を促進しています。 2025年にアメリカ国内でISIS支持者が成功させた攻撃は2件で、これは8年ぶりのことでした。 同年の7件の事案に関わった11人の実行犯のうち、8人が10代であり、4人は17歳以下でした。

ニューヨーク・グレーシー・マンション事件の容疑者であるバラットは、2025年5月から8月にかけてイスタンブールに渡航し、2026年1月にトルコからアメリカに帰国していました。 共犯者のカユミも2024年夏にイスタンブールへ渡り、同年3月にはサウジアラビアを訪問していたことが判明しています。 法執行機関の情報筋によると、ISIS、アルカイダ、イラン系組織はこの18か月間でオンライン上での勧誘活動と暴力扇動を強化しており、対イラン戦争の開始以降、その動きはさらに加速しているとされています。


イランの崩壊が引き起こした「代理テロの連鎖」—トランプ政権の対応

ホワイトハウスが2026年3月1日に公開した文書によれば、イランはおよそ半世紀にわたりアメリカ市民への攻撃を繰り返してきた「世界最大のテロ支援国家」であるとトランプ政権は位置付けています。 アメリカとイスラエルによる対イラン軍事作戦の開始、そして最高指導者ハメネイ師の死亡が、西側諸国内に潜んでいた過激化ネットワークを一斉に活性化させた、というのが今回の連続テロの背景にある見方です。

ドイツの議会情報サービス監視委員会のマルク・ヘンリヒマン氏は、「イランは過去に繰り返し自国の国境を超えてテロを実行してきた。ヨーロッパにイランのスリーパーセルが潜伏している可能性は否定できない。警戒が最優先事項だ」と警告しています。 ノルウェーの安全保障機関PST(警察情報機関)も事件以前の段階で、「イランが犯罪ネットワークを代理勢力として利用し、自国の代わりに作戦を実行させる可能性がある」と警告を発していました。

イギリスのテレグラフ紙は2026年2月の段階で、欧米情報当局が電子傍受の「チャッター(通信量)」増加を確認しており、テロ計画と調整の動きが水面下で進んでいると報告しています。 イランは外交・商業活動を隠れ蓑に、ドイツ、フランス、オランダ、スカンジナビア諸国など欧州各国に情報網を構築してきたとされています。


テロ対策の課題—「早期釈放制度」と「移民審査」の見直しを

ODU大学の銃撃犯ジャロウのケースは、テロ犯罪者への早期釈放制度の問題点を浮き彫りにしました。 薬物依存症治療プログラム修了による早期釈放制度(RDAP)はもともと一般受刑者のリハビリを目的としたものですが、ジャロウのようなテロ有罪判決者にも適用されてしまいました。 連邦矯正局はテロ関連犯罪の適用除外を提案していたものの、組合の反対で実現していませんでした。

シナゴーグにトラックで突入したガザリのケースも、移民審査と監視体制の課題を示しています。 ガザリはヒズボラ関係者との接触を理由に監視リストへの登録はされていたものの、正式なメンバーと見なされていなかったため、強制措置は取られませんでした。 トランプ政権が推進する国境管理の強化と移民審査の厳格化は、こうした「見えない脅威」への対処という点で、安全保障上の重要な政策的意義を持ちます。

HSトゥデイ誌の2026年1月の分析によると、ヨーロッパにおける2025年のテロの多くはISISや聖戦主義的イデオロギーに触発されたものでした。 オーストリア・フィラッハでの刺傷事件、ドイツ・ビーレフェルトでの刺傷事件など、ローンアクター型の攻撃が相次ぎ、脱中央集権型の暴力が定着しつつあります。


まとめ

2026年3月に集中して発生した一連のテロ事件は、アメリカとヨーロッパが直面している複合的なテロの脅威を改めて浮き彫りにしました。ISISによるデジタルを通じた自己過激化、イランの代理組織による組織的攻撃、そして帰化市民・移民二世による「ホームグロウン・テロ」という三つの脅威が、同時並行して進行しています。

特に深刻なのは、テロ犯として有罪判決を受けた人物が早期釈放制度の抜け穴を利用して出所し、再び攻撃を行ったという事実です。また、若者が国外渡航を経由してスリーパーセル(潜伏工作員)とのつながりを深め、帰国後にテロを実行するパターンも確認されています。

トランプ政権が進める対イラン強硬姿勢と国境管理の厳格化は、こうした脅威への現実的な対応として重要性を増しています。西側諸国の安全を守るためには、移民審査の強化、テロ関連犯罪者への刑事司法上の例外規定、そしてSNSを介した過激化への対策という三本柱が不可欠です。「テロとの戦い」は終わっていません。それは形を変えながら、私たちの日常の中に静かに近づいてきています。

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