

「イランのほぼすべてが破壊された」—トランプ大統領は3月3日、ドイツのメルツ首相とのオーバル・オフィス会談後にそう宣言しました。同じ会見で飛び出したのが、スペインへの「全貿易断絶」宣言です。NATO防衛費5%目標の拒否、米軍基地使用の拒否、そして習近平政権との急接近—サンチェス首相率いる極左政権がつみ重ねてきた「西側離れ」の代償が、ここに来て一気に請求されつつあります。
3月3日(火曜日)、トランプ大統領はオーバル・オフィスでの記者対応でイランへの攻撃成果を力強く語りました。

「イランの海軍は壊滅した。空軍も壊滅した。防空システムもレーダーも壊滅した。核施設を含めてほぼすべてが破壊された」。さらに「イランの高位幹部もかなり排除できた」と述べ、政治・軍事両面での「指導部解体」が進んでいることも示しました 。「米国はとてもうまくやっている」とも語り、作戦の順調な進捗を強調しています 。
一方で「最悪のシナリオは、前の政権よりもひどいやつが後継に出てきてしまうことだ」とも付け加えており 、戦後の政治安定をどう確保するかという冷静な戦略眼も示しています。
作戦は順調に進む一方で、地上の状況は激しさを増しています。
イランでの死者はすでに1,000人を超えたとの報告があり 、テヘランの各所では煙と瓦礫が広がっています 。イスラエル軍はIRIB国営放送本部やメフラバード空港周辺を標的にし、ハメネイ師後継機関「専門家会議」の拠点があるコムも爆撃を受けました 。

ホルムズ海峡は依然として実質的封鎖状態にあり、数百隻のタンカーが足止めを余儀なくされています 。石油・LNGの輸送路が日本のエネルギー安全保障にも直結している点は、改めて強調しておきたいと思います。
今回のスペインとの衝突は、単なる基地問題だけではありません。サンチェス政権が積み重ねてきた「西側からの距離感」の問題です。

サンチェス首相は過去3年間で3回も習近平政権の中国を訪問し、スペインの外交戦略文書には中国を「米国とほぼ同等の戦略的パートナー」と明記しています 。2025年6月には中国副主席との会談でさらなる「包括的戦略パートナーシップ」を確認 。EU域内の対中関税議論でもスペインは中国寄りの立場を取り続け 、事実上「EUの中の中国の代弁者」的な役割を担ってきた経緯があります。保守的な視点から見れば、これは明確な「同盟への裏切り行為」です。
トランプがスペインに対して積み重ねてきた不満の中心が、NATO防衛費問題です。

他の欧州主要国がトランプの要求するGDP比5%目標に向けた約束をする中、スペインは2.1%への増額すら拒否し、「現在の水準を維持する」と宣言しています 。トランプはこれを激しく批判し、「NATOの中でスペインだけが5%に同意しなかった。実際には2%の約束すら守っていない」と指摘しています 。同席していたメルツ独首相も「トランプは正しい。加盟国全員がこれを守るべき共同安全保障だ」と同調し 、欧州内でもスペインの姿勢に対する批判が広がりつつあります。
今回のきっかけとなったのは、スペイン外相アルバレス氏が「国連憲章に基づかない攻撃には、ロタおよびモロン米空軍基地の使用を認めない」と公式表明したことです 。

サンチェスはその後のテレビ演説でも「戦争にノー」と繰り返し、「イランへの攻撃はイラク戦争の失敗を繰り返すものだ」と主張しました 。しかしここで見逃せないのは、アナリストたちの指摘です—「サンチェスにとってこれは国内の極左支持層を結集するための政治的パフォーマンスでもある」。つまり、安全保障の判断というより、国内政治の計算が優先されているという見方です。
「スペインとの貿易を全部断つ。スペインとは何の関係も持ちたくない」—トランプはベッセント財務長官に対してすでに指示を出したとも述べています 。

スペインはEU加盟国のため貿易交渉はEUが一括担当しており、「スペインだけを標的にした制裁」の実施には法的・構造的なハードルがあります 。ただし、EU全体への関税引き上げという形での間接的な圧力は十分あり得ます。トランプが「我々はスペインの基地を使いたければ使えた。誰も止めることはできない」と言い切った点も見逃せません ——これは「脅しではなく現実の力関係」を突きつけた言葉だと言えます。西側同盟の論理に乗らないのであれば、相応のコストを支払うべきだ、という至って正当な主張です。
サンチェス政権の「親中・反米・NATO義務不履行」という三重の問題が、イラン戦争という火に油を注ぐ形で一気に噴出したのが今回の局面です 。「同盟とは義務と権利の両輪で成り立つ」という当然の原則を、トランプは正面から正々堂々と問い直しています。EU連合の一番痛い部分であり、反論の余地がありません。米政治家の強硬派からは、スペインのNATO脱退論が飛び出すレベルにまでなっています。
日本にとっても、「安全保障のただ乗り」「同盟国への貢献回避」「親中路線との両立」という問題は他人事ではありません。日米同盟の意義と責任をあらためて問い直す機会として、この欧州の構図は非常に示唆に富んでいると言えるでしょう。






